コラム
非上場株式の評価②~税法上の評価方法~
前回のコラムでは非上場株式にかかる評価方法の種類について解説させていただきました。
⇒前回のコラムはこちら
今回は、そんな非上場株式の評価方法のうち相続・贈与等があった場合における税金計算の基礎となる評価方法(税法評価)の仕組みについてご紹介させていただきます。
税法評価の評価方法
税法評価における評価方法を大別すると、①類似業種比準方式、②純資産価額方式、③配当還元方式の3パターンとなります。株式を受け取る方の属性(会社への株主としての影響力)と評価する株式を発行する会社(対象会社)の規模に応じてどの評価方法を使用するかは法律で定められています。
各評価の計算方法
① 類似業種比準方式対象会社と、対象会社と同業種である上場会社の財務内容を比較して株価を求める方式です。 比較する財務内容は配当金額・利益・純資産であり、比較対象となる数値(比準要素)は毎年6月ごろに国税庁が公表します。ざっくりいうと、対象会社が上場会社だったらいくらの株価になるの?という仮定計算です。なお、②純資産価額方式と比較すると、評価額は低くでる傾向にあります。
② 純資産価額方式
純資産価額方式は読んで字のごとく、対象会社の株式1株当たりの純資産価額により評価する方法です。ただし、単純に貸借対照表の純資産を株数で割るのではなく、法律で定められた評価方法に基づき資産・負債の評価替えを行います。 不動産・上場株式など、買ったときの価格(帳簿価額)と現在の価値に乖離が生じやすい資産や、保険積立金・オペレーティングリースなど解約時に帳簿価額以上の返戻金がある資産を有している場合には純資産価額が大きく変動する可能性があるため注意が必要です。
③ 配当還元方式
配当還元方式は評価会社の配当利回りに基づき評価する方法です。毎年多額の配当を行っていない限り、①類似業種比準方式や②純資産価額方式と比較して非常に低い評価額となります。
評価方法の決定
上記で挙げた税法評価の評価方法ですが、どの評価方法を用いて評価するかは株式を受け取る方の属性と対象会社の会社規模により決定します。
① 属性による評価方法の決定(受け取った後の属性で決定)

少数株主の方は株主として会社に与える影響力が少ないため安い評価(=配当還元方式)、オーナー株主グループに属する方は会社への影響力が高いため高い評価(=類似業種比準方式・純資産価額方式)になるというイメージです。 *イメージを持っていただくため簡便的な記載を行っています。実際の評価方法の判定にあたっては、より詳細に検証する必要あります。
② 対象会社の会社規模による決定

オーナー株主グループに属する方の株式評価については、上記の表の会社規模に基づき類似業種比準方式、純資産価額方式、もしくは類似業種比準方式と純資産方式の併用方式により評価します(従業員70人以上の会社は自動的に大会社になります)。会社規模ごとの計算式は下記の通りであり、下記計算式により計算した金額と純資産価額方式により計算した金額とのいずれか低い方が評価額となります。

まとめ
非上場株式の税法評価は受け取る方の属性や評価対象会社の会社規模によりその計算方法が異なるため、株式の移転を行う際は入念な検証が必要です。 株式の移転を行った後にいざ株価を出してみると、思っていたよりも評価が高く想定以上の税金を払うことになってしまった…というのはあるあるだったりします。 弊社では概算株価算定から株式の移転(承継)に関するスキーム構築・実行支援までワンストップで対応可能です。株式の移転をご検討中の方は、是非お気軽にご相談下さい!