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「消費税」~消費税課税の有無と軽減税率~

私たちが日常の買い物で何気なく支払っている消費税。

実はこの消費税という税金、消費税がかかる買い物(課税取引)と、かからない買い物(不課税/非課税取引)があり、全ての買い物に消費税がかかっているわけではありません。
今回は、消費税がかかる/かからないがどのように決まるのか、課税される取引や例外となる取引、そして軽減税率について、整理してみます。

【①消費税がかかる買い物(取引)の定義】

消費税がかかるのは、次の3つの要件を満たす取引です。

1.事業者が事業として行うこと
まず、消費税がかかる取引は事業者(会社や個人事業者)が【事業(ビジネス)】として販売しているものを買うことが大前提になります。

例えばサラリーマンの方が自家用車を売却する場合、ビジネスとして売却するわけではないので課税の対象にはなりません。
また、個人事業主の方がご自宅を売却する場合も、ビジネスではないので課税の対象にはなりません。
ただし、会社(法人)については全ての取引がビジネスであると定義されるため、会社が車を売却したり、本社を売却したりした場合は、この要件においては課税の対象になります。

2.日本国内で行われること
消費税は国内で消費される財貨・サービスに対して負担を求めるものであるため、国内取引のみが課税の対象になります。
例外として、音楽や広告の配信などのインターネットを介して行われる事業(電気通信利用役務の提供)に関しては会社(事業主)の住所により国内取引か否かを判定します。
つまり海外に対するサービスの提供であっても会社(事業主)の住所等が国内であれば課税の対象になり、国外であれば課税対象にはなりません。

3.物を売ったり貸したり、サービスを提供すること
物を買ったときや、サービスの提供を受ける時に課税の対象となります。
例外として無償の取引などは原則として課税の対象にはなりません。

簡潔にまとめると、日本国内で事業として物を買う際やサービスの提供を受けた際に発生する税金が消費税となります。

 

上記3つの要件を満たさない取引は「不課税取引」と呼ばれ、消費税がかかる取引の対象外となります。


【②消費税がかからない「非課税取引」】
【①消費税がかかる買い物(取引)の定義】
における3つの要件を満たしても、消費税(「消費」に着目して課税)という性格になじまないという理由や、社会的に消費税を課税するのは適切ではないという理由で特別に消費税がかからない取引もあります。これらは「非課税取引」と呼ばれ、法律で17種類の取引が非課税とされています。

非課税取引を整理すると次のようになります。
■消費税という性格になじまない取引
・土地の譲渡および貸付

土地には、借地権(土地の上に存する権利)などを含みます。
※1か月未満の土地の貸付けおよび駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引にはなりません。
・有価証券等の譲渡
主に国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡が非課税取引になります。
※株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引にはなりません。
・支払い手段の譲渡
主に銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡が非課税取引になります。
※銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などを収集品として譲渡する場合は非課税取引にはなりません。
・預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
主に預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金などが非課税取引になります。
・郵便切手類の譲渡、印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡
日本郵便株式会社及び簡易郵便局等が行う郵便切手類、印紙の譲渡は非課税になります。
・商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
・国等が行う一定の事務に係る役務の提供
主に登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付が非課税取引になります。
・外国為替業務に係る役務の提供
外国為替業務に係る役務の提供は非課税取引になります。
■社会政策的な配慮に基づき消費税を課税しない取引
・社会保険医療の給付等
主に健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療が非課税取引になります。
※例外として美容整形や差額ベッドの料金および市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引にはなりません。
・介護保険サービスの提供等
主に介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなどが非課税取引になります。
※例外としてサービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引にはなりません。
・社会福祉事業等によるサービスの提供等
主に、社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供などが非課税取引になります。
・助産
主に、医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供等が非課税取引になります。
・火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供

※埋蔵料、収蔵料については火葬料や埋葬料には該当しないため非課税取引にはなりません。
・一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等
身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造又は機能を有する物品などは非課税取引となります。
※身体障害者が購入する乗用自動車であっても特殊な性状、造又は機能を有しない乗用自動車は非課税取引にはなりません。
・学校教育
主に学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料などが非課税取引になります。
※上記に該当しない専門学校及び学習塾等における教育は非課税取引にはなりません。
・教科用図書の譲渡
主に学校教育法に規定する教科用図書などは非課税取引になります。
※参考書又は問題集等で学校における教育を補助するための教材は学校が指定したものであっても非課税取引にはなりません。
・住宅の貸付

契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限り非課税取引になります。
※一か月未満の貸付は非課税取引にはなりません。

【③軽減税率が適用される取引】
我が国における通常の消費税率は令和元年10月1日より10%(国税7.8%、地方消費税2.2%)ですが、一部の取引について低所得者に配慮する観点から8%(国税6.24%、地方消費税1.76%)の軽減税率が適用されます。

■軽減税率が適用されるもの
・食品や飲み物(ただし、お酒や外食は除く)
例えば、スーパーで買うパンやお米は8%の税率が適用されますが、レストランでの食事は10%の税率が適用されます。
ただし、レストランでも持ち帰り(テイクアウト)の場合は8%の税率となります。

・定期購読契約のされた新聞(週2回以上発行されるもの)
例えば、スポーツ新聞や業界紙、日本語以外の新聞等についても8%の税率となります。また、週二回以上される新聞であっても電子版の新聞は「電気通信利用役務の提供」に該当するため、軽減税率の対象とならず10%の税率が適用されます。


このように、消費税には「消費税がかかる取引(課税取引)」、「消費税がかからない取引(不課税/非課税取引)」そして「消費税が軽減される取引」があり、私たちの生活にも身近な影響を与えています。
買い物をするときに「この商品やサービス(取引)の消費税はどのように決まっているのか?」と考えてみるのも面白いかもしれません。